2017年6月20日火曜日

エアポートリンク線で起きた転落事故は防げなかったのか

(写真引用元:http://www.js100.com/en/site/post_share/view/41973)

6月19日(月)朝6時52分ころ、タイのエアポートリンク線、バーンタップチャーン駅で、妊娠6ヶ月の女性がプラットホームから線路に転落し、直後に到着した列車に轢かれて亡くなるという痛ましい事故がありました。

この事故の報道を見て、なぜ線路に転落したのか、列車が来る前に助けられなかったのか、駅員と運転士は列車を止められなかったのかなど、いくつか疑問に感じましたので、新聞などを少し調べてみました。

まず、なぜ線路に転落したのかということですが、夫の証言によると、この女性は妊娠6ヶ月で、夫のバイクに乗って駅まで来たこと、特に悩みはなかったこと、妊娠のつわりが重く、めまいや立ちくらみの症状があったそうです。現時点では、ホームにいるときに立ちくらみが起きて、線路に連絡したために起きた事故と判断されています。

列車が来る前に助けられなかったのかという疑問については、女性が線路に転落してから、電車が到着するまでに約14秒の時間があり、列車は 100m 先に迫っていたそうです。この距離と時間では、誰かがホームに下りても、その人も事故に遭う可能性がありますので、助けに行けなかったのも仕方なかったと思います。

では、列車はもっと早く止まれなかったのでしょうか。タイ国鉄によれば、この女性が線路へ落ちたとき、まず反対側のホームにいた駅員が非常停止ボタンを押し、次に女性が転落したホームにいた駅員も非常停止ボタンを押し、転落を目視した運転士も非常停止の操作をしたが、列車の速度は 60km/h で、停止するには 100m の距離が必要なため、停止は間に合わなかったそうです。

本当にそうなのか、疑問に感じたので計算してみました。電車が 60km/h で走行してきて、ブレーキの能力を -4.5km/h と仮定すると、停止に必要な時間は 13.3秒。その間に列車は 111m 進みます。これは、列車が14秒で到着した事実とも符号しますし、100m が必要とするタイ国鉄の説明は正しいと考えて良さそうです。

タイ国鉄は、今回の事故を受けて、ホームに立つ駅員を増やす、ホームに入る乗客の人数を制限する、現在はスワンナプーム駅にのみ設置しているホームドアの工事を前倒しして、パヤタイ駅、ラッカバン駅から順次設置するといった対策を発表しています。ホームドアがあれば、今回の事故は起きなかったかもしれません。対策が進み、今回のような事故が起きないことを願います。

最後になりましたが、亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

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